歯科技工士だった父の背中がいつも夜遅くまで作業していて、とにかく一生懸命に取り組んでいる様子だけは子どもながらに理解おり、歯科技工士はとても過酷な仕事であり、さらに父は、私が中学の頃から人工透析を受けながら仕事をしていたので、体力的にも精神的にも本当に大変だった中、真摯に働く父を見て、歯科医師になって一緒に仕事をしたいと思うようになりました。

「自分の歯で一生噛む」をテーマに治療を考えています。
そのためには、削る部分が少なく済むような工夫などをしながら、できるだけ長く機能する歯に治していかなければいけません。そこで大事になってくるのがメンテナンスです。歯科医師の仕事は治療を重ねることではなく、治療の経過を見ながら健康な歯を守っていくこと。当院での治療が、患者さんにとって最後の治療となれたらうれしいです。

歯を失う大きな原因の一つである、歯周病治療に力を入れています。
プローチ方法もさまざまで、歯周外科、歯周内科、薬物療法を組み合わせて治療したり、ブラッシング指導だけでコントロールできたりします。患者さんの希望と歯科医師の思うベストを相談しながら、一緒に方針を考えていきたいと思っています。

勤務医時代に一度だけ、患者さんに怒られたことがあります。
院長に「痛みのある歯のかぶせ物を外して」と指示され、、実はその時、患者さまは抜いてほしいと思っているんじゃないかなと思ったのですが、指示どおりにかぶせ物を外しました。すると患者さまに「痛いから来てるんだよ！」と怒られたのです。私が患者さまに直接確認しなかったことが原因でした。この経験以降、必ず患者さまに本当にどう思っているのかという真意をきちんと確かめることが何よりも大切。それに気づいた出来事でした。